2017年8月23日水曜日

アメリカの現実、不法移民の果たす役割



以下は日経新聞からです。



聖域都市守れ テキサス反不法移民法案、辺境市長が反旗 

2017/8/23 5:02


 不法移民に寛容な米国の「聖域都市」。トランプ米大統領の反移民的な発言に押され、テキサス州は9月1日に州内で聖域都市を禁ずる法律を全米で初めて施行する。不法移民の取り締まりが一段と強化される見通しで、これに米メキシコ国境の小さな市、エルセニーゾの市長が反旗を翻し訴訟を起こした。ダラス、ヒューストンなど州内の大都市も加わり、州と対立している。
不法移民に寛容な米国の「聖域都市」。トランプ米大統領の反移民的な発言に押され、テキサス州は9月1日に州内で聖域都市を禁ずる法律を全米で初めて施行する。不法移民の取り締まりが一段と強化される見通しで、これに米メキシコ国境の小さな市、エルセニーゾの市長が反旗を翻し訴訟を起こした。ダラス、ヒューストンなど州内の大都市も加わり、州と対立している。

人口3300人の辺境の街エルセニーゾ。貧困率が4割を超える市内の人影はまばらで、あばら屋が散在する。一戸建ての市庁舎から15分ほど歩けば国境のリオグランデ川が流れる。対岸の茂みはメキシコのヌエボラレド。川周辺は無人で無防備。簡単に泳いで渡れそうだ。
 「市民の2割ほどは不法移民です」。エルセニーゾのラウル・レイエス市長(34)は打ち明ける。人口の99%はヒスパニックで、メキシコからの移住者が多い。不法移民は「税金や市のサービス料金も払って貢献している。彼らの生活基盤も家族もここにある」とレイエス氏は擁護する。
 だが平穏は破られようとしている。不法移民の取り締まりを強化する州の「反聖域都市法」施行が9月1日に迫っているためだ。聖域都市とは不法移民を保護し、公共サービスも提供する都市を指し、不法移民は比較的安心して暮らせる。
 新法が施行されれば警察は職務質問で滞在資格を尋ねることができるようになる。不法移民だと判明した際は拘束し、連邦政府当局に身柄を引き渡して強制送還させる。制度への協力を拒んだ警察や保安官は逮捕される可能性もある。州内の市は聖域都市であることが許されなくなる。
「中南米系コミュニティーに対する直接的な差別だ」。レイエス市長は同法案を「無謀で危険、差別的」と激しい口調で非難する。テキサス州のアボット知事が5月7日に法案に署名したが、翌8日には中南米系市民団体とともに違憲だと訴えた。これまでにサンアントニオやダラス、ヒューストンといった大都市も訴訟に加わった。
 米国でメキシコと最も長い国境を有するテキサス州南部は、メキシコの雰囲気が色濃い。人々はスペイン語を話し、メキシコからの人の出入りも日常的だ。ツーリストビザで毎朝米国に入国し、建設現場やレストランで働き、夕方にメキシコに戻る人も珍しくない。買い物に来る人も多く、メキシコ人なくして地域経済は成り立たない。
 「反聖域都市法が施行されれば、メキシコから働きに来る人は減るだろう。買い物に来る人はさらに減る」。エルセニーゾの近隣にあり、同じくリオグランデ川沿いの国境の街であるラレド市では、メキシコ人客の減少が地域経済に悪影響を及ぼすとみる商店主が少なくない。トランプ大統領が就任した1月以降、「メキシコからの客足が2割ほど減った」(家電量販店)との声もある。
 エルセニーゾのレイエス市長は不法移民の悲劇も深刻化するとみる。移民一家では母親もしくは父親が不法滞在していることは珍しくない。法案が施行されれば合法な滞在資格を持たない親が強制送還されるケースが増え、米国生まれで市民権を持つ子供と引き裂かれかねないという。
 不法滞在が明らかになることを恐れ、「今まで以上に不法移民に対する家庭内暴力や性暴力といった犯罪が表に出てこなくなる」とも懸念する。
 法案を推進するテキサス州の共和党議員らは不法移民が治安を悪化させていると主張する。だがレイエス市長は「過去13年の就任中、不法移民が犯した重罪はみたことがない。むしろ米国市民による犯罪のほうが深刻だ」と話す。
 米国の建設や外食業界、農業は最低賃金以下で働く不法移民が支えているのが実情。テキサス州の自治体も例外ではない。合法な滞在資格はないものの、もはや欠かせない存在だ。トランプ政権下で取り締まりが強化されるなか、移民を巡る対立は続く。



⭐️ ⭐️ ⭐️


不法移民は「税金や市のサービス料金も払って
貢献している。彼らの生活基盤も
家族もここにある」という市長の話は
(特に不法移民が多く働く都会に住むと)
これが現実、これがアメリカの実情
だということに直面します。


政府機関を止めてでも壁を作る
と息巻くトランプですが、
あなた、アメリカの現実を全然わかって
ないですよね。



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