2019年11月29日金曜日

死を想え







知り合いのご夫婦がユタ州にある
アーチーズ国立公園のトレールから転落して
亡くなったと彼らと共通の友人からの電話で知る。


えっと言った後、言葉が出なかった。


ここ数年数々の困難を通り抜けて来られたお二人。


だんなさまは来年リタイア。
日本に帰られる計画もしておられたと言います。


ランニングとハイキングが好き、
チャレンジがお好きなカップルでした。


当日は雪もうっすらと積もっていてお天気も
あまり良くなかったと言うアーチーズ、
そんな中、早朝からハイキングに出かけて、
そして帰らぬ人になってしまった。


用心深い彼女だったのに、何で決行したんだろう。


崖かよら転落する時、彼女は何を見たんでしょう。
頭に何がよぎったのでしょう。


そんなことが頭から離れない私は、
本棚から藤原新也の「メメント・モリ」
を出しました。











契り一生、離別(わかれ)一生。
この世は誰(たれ)もが不如帰。









心のどこかに「死を想」って生きる。


人の命はあっけない。
いつどこでどうなるか、
明日のことさえわからない。


心して生きよ、ということなのでしょう。



残り少なくなって来た私の人生。


死を想いつつ、少しでも後悔のないように
生きていかなくては。

Tucson Premium OutletとElcantada、ツーソンの格差社会



アメリカは昨日はサンクスギビング。

そして今日金曜日はブラックフライデー。


家人も仕事がオフだったこともあり、
1度行きたかったツーソンのほんのちょっと先にある
アウトレットに行きました。


ここは今日、朝6時からオープン。


私たちは6時45分ごろ出発。


雨の予報ではありましたが、
車を走らせるうちにすごい雨。


フリーウェイまでが長くて、
フリーウェイに乗ると10分ほどで降り口、
そこから少しツーソン側に戻ったら到着です。









買い物をしたいのはナイキファクトリーストア、
そしてアンダーアーマーも少し。


雨だったし、ツーソンの中心部からは少し
離れているせいか、空いています。









お客さんがいない瞬間をねらって店内の
写真が撮れました。


家人も私もまずジム用のシューズ。










先日行ったロサンジェルスではサンタモニカ
のナイキストアで最新のスタイル
を2足購入しましたが、
アウトレットではシーズン落ちのものが
安価で手に入ります。

靴は消耗品なので今回も2足。










同じブランドでも黒い方はサイズ8。

奥のインディゴヘイズは7.5です。











ブラックはランニング用。

ソールもこんなに違います。









ナイキではジムでもふだんでも着れそうな
ロングカーディガン風ジャケットも。

素材はコットンが56%、あとはレーヨン
とポリエステルです。


お金のことを言ったらなんですが、
家人もジム用シューズを1足と
トレーニングパンツとドライフィット

のTシャツを買い、
靴トータルで3足、
私用のジャケット。


これだけ買ってタックス8.1%を含めても300ドル。

今日はブラックフライデーのセールで、
値引きされた値段から全ての商品が
また30%オフなのです。


何て安いこと!


ショッピングの楽しみは絶対
アメリカじゃないかしら、と思っちゃいます。








午後からはアップルストアのある
La Elcantadaへ。


洗顔が無くなったのでロクシタンに来ました。







このショッピングセンターにはティファニー、
コーチ、ブルックスブラザーズ、ルルレモン
やウィリアムズソノマ等のお店が入っていて、
ツーソンでは唯一の、
それなりにハイエンドのお店が集まるところ。


朝行ったアウトレットのナイキの
ファクトリーストアで聴こえて来たのは
ほぼスペイン語。


買い物をしていたほとんどのお客さんが
(メキシコから来た)メキシカンと
差別語かも知れませんがチカノ
(アメリカ生まれのメキシカン)だったんです。


アンダーアーマーでもしかり。


白人のお客さんがすごく少なかった。


片やElcantadaではスペイン語は全く聴こえて来ず、
買い物客はほぼ白人と少しのチャイニーズ。

ここで見る女性の買い物客の服装も
見るからに違うし、
持っているバッグもヴィトンだったり。


同じツーソンでも買い物客のこの「格差」
にあらためてびっくりです。


セール中のルルレモンも白人のお客さん
でにぎわっていましたが、私たちはもう
ルルレモンに魅力は感じません。



私はロクシタンで洗顔だけ買ってここを出ました。



そんなこんなの2019年11月29日。


ブラックフライデーでした。


明日で11月もおしまいです。





2019年11月22日金曜日

「パラサイト」を観る








今日は「パラサイト」という韓国映画
を観に行きました。


今年のカンヌ映画祭で最高賞の
パルムドールを取った、
ボンジュノ監督の作品です。


昨年のパルムドールは是枝監督の
「万引き家族」でした。


両方を観たものとしての感想は、
「パラサイト」の比べようのないスケール
とパワーにはただただ圧倒されたということです。



半地下の家に住む4人家族は全員失業中。


「万引き家族」のように祖母の年金に
頼るのではなく、
たまたまリッチな高台に住む社長一家
に家庭教師として通うようになった長男から
その家の「パラサイト」になるべくプラン
が始まります。


半地下家族と高台の高級住宅。


韓国映画でははっきりと貧富の差、
階級の差を見せつけます。


またこの映画の中では衣類に染み込んだ
「臭い」でも差別がはっきりします。


豪邸に隠された地下。


とんでもない発想ですが、これがまた
象徴的な場として描かれます。


是枝監督には悪いけどとにかく実力の差でしょうか。


ソンガンホはもちろん上手いですが、
その妻役の女優さん、
兄妹を演じる若い俳優さん、
みんな上手い。

リアルなんです。


いや、それはないよと思ってしまうような
シチュエーションでも
いや、それもわかる、と思わせてしまう
リアリティ。


もういいかな、と思ってもいましたが、
180度リクライニングシートで観れる映画館
で上映してくれていたので観に行きましたが、
観に行って良かった!


カンヌでパルムドール。


パラサイト、超おすすめです。



2019年11月20日水曜日

ほぼ4ヶ月後に返送されたエアーメール








今日、アパートのメールボックスを開けたら、
入っていたのは返送されてきたエアーメール。


7月29日に送ったものです。


住人はもうとっくに引っ越していたのを
知らずに送っていたのです。



それにしても送った荷物が届かなかったり、
行方不明になったり、
誤配されたりが日常茶飯事の
アメリカの郵便事情。


ところがぺらぺらの封筒1枚のエアーメールが
ごていねいに戻って来るとはね!


何と言えばいいのでしょうか。



2019年11月17日日曜日

木べらとビーズ







ハチミツを買いに行ったマーケットで
木を削って磨いて
キッチン用のスプーンやナイフなどを売っていた
トーマスさん。







隣りのテーブルには人形やおもちゃ。






そのまた隣りのテーブルには
石のカボションやらビーズ。




ビーズの箱の中は私が買った後なので
ほぼ空っぽです。








マヌカハニーは金属のスプーンを使わない方
がいいらしいので、
今使っているプラスチックのスプーン
をやめて木のスプーンかへらに変えようと、
この4つを購入。







ビーズの箱にあったのは
ガラスビーズのネックレス。








45年前のガールフレンドが、
自分の母親のものだったビーズやフェザー
などのジュエリーの材料を4箱
送ってきたので、そのビーズをつなげて
ネックレスを作ったのだと話してくれたトーマスさん。

なかなか上手に作っています。

木工をするくらいなのできっと手先は
器用なのでしょう。









細かいビーズを1つ1つつなげていくのは
けっこう時間がかかり、根気の要る作業です。ばらしてブレスレットを作ろうかなとも思いましたが、ネックレスとしても全然すてきなので、ちょっと考えます。


30年近く前に初めて、タイのカラフルな
トレーディングビーズを手にして以来、
ガラスビーズに魅せられてしまいました。


しまってあるガラスビーズのネックレスも出して、
また別のものに作り替えてもいいかも。


ホワイトハーツは別にして、
チープなガラスビーズは
手にして見ているだけでも飽きないです。




フレディさんのハチミツを買いに







アパートから車で10分ほどの敷地で
日曜日だけオープンするマーケット
へ久しぶりに行きました。


フレディさんのハチミツを買うためです。








前回買ったのは採取したばかりだった
メスキートのハチミツでした。


今日彼が持っていたのはキャットクロウの
ハチミツです。










キャットクロウはもちろん野草で、
そのハチミツはこんなふうに白っぽくて
すでにほぼ固まっています。


スプーンですくえる程度の硬さなので
コーヒーの甘味に使うのにぴったり。


なかなか糖度もあります。


ただ今わが家には毎朝飲むマヌカハニー、
パタゴニアのモロカイ島のハチミツ、
そしてフレディさんのこのハチミツと
3種類になりました。



2019年11月16日土曜日

マリィの家へ







ホピの友人マリィがサンクスギビングディナー
パーティに招待してくれたので、
ちょうど仕事がオフだった家人と
出かけました。

場所はフェニックスの西、グッドイヤー
というところですが、
マリィのだんなさんのビルが話してくれたのは
グッドイヤーが住所になっているのは、
単に借りているだけなのだと。


確かに家があるのは町とは程遠い砂漠の中。


土地の管轄はカウンティ。
でも住所が必要なので近くのグッドイヤー市
に申し入れたので決まったのだそうです。


ツーソンから2時間と15分ほどかかりました。


サンタフェ風アドビのとってもすてきな住まいは
ビルがほとんど自分で建てたのだそうです。

アメリカ人のすることはすごいです。







エントランス。





内側からゲートを見る。

外の景色はこんな感じ。








イーグルスカウトまで行ったというビルは
自然が大好き。

自分より先に隣りの土地を買って
兵舎みたいな家を建てて、
今は物置としてしか使っていないカナダ人が
100年以上の樹齢のサグヮロサボテンの高い木を
切ったことをずっと怒っています。


フェニックスから北にフリーウェイを走り出すと
見えてくる、砂漠に生えている奇妙な「腕(枝)」
を伸ばした背の高い太いサボテンがそうです。


あのサボテンは幹から枝が出るのに何十年も
かかるのだそうです。
(知らなかった!)

ちなみに上の写真のブリキのミュージシャン
の後ろの鉢で細い木に囲まれたのは
サグヮロサボテンなのだそう。


このブリキのミュージシャンたちは
まだこの家に来た新参者。


ホピの学校で校長をしていた男性が
ギルバートという町でアンティークショップ
をしていて、そこにはマリィの親戚の女性が
働いていて、たまたまそこで見つけたもの
だと話してくれました。







何ともすばらしい室内のインテリアと
装飾。





上にかかっているのはマリィの息子のアキマ
が小さい頃から持って遊んだラトル。






ビルが、これもネイティヴアメリカン、
これもネイティヴアメリカン、
僕のはカウボーイハットだけと
一見悲しそうに(笑)。

いやぁ、ここはマリィの家でしょ、
と私。





大きな窓にそって設置されたフードコーナー。






左のカチーナたちはアキマの作。

大きい方の弓はアキマがホピの
イニシエーションでもらった弓だと
マリィが教えてくれました。






マリィがダンスでつけたヘッドセットたち。


下の絵はアキまが描いた、
それぞれのヘッドセットをつけたマリィの絵。












何だかんだ言っても仲の良いマリィとビル。


初めて会った時はあまり話が聞き取れず、
ちょっとこわそうに見えたビルですが、
いつも語ってくれるお話がとても興味深くて、
今日なんて、ビルの話を聴いていた時間が
かなり長かったです。







ビルが自分で石を積み上げて作ったプール。

まるで日本の温泉のように、
小さな洞窟(とビルは呼んでいました)
もあります。






ここはゲーム場。

マリィとお姉さんのファーン。






ボール投げが得意な家人は
ビルの最初の奥さんとの子供であるリサ
と組んでゲームに参加。



砂漠の向こうには低い山々。


夏にはプールサイドのデッキチェア
でワインでも飲みながら本を読むなんて
いいだろうなあ。


次は夏に来るよ、
と言いつつ夕方早めに
マリィの家を後にしました。



フラッグスタッフに10年住み、
マリィも何度か声をかけてくれたのに
家を訪ねるチャンスはなく、
こうしてツーソンに住んでそれが叶う
というのも人生、おもしろいですよね。

2019年11月11日月曜日

コンビニ人間







アルバカーキから引っ越すちょっと前に、
アパートの近くの本屋さんで見つけたので買った
「コンビニ人間」の英語版は
未だ読めていません。


先日行ったコリアンマーケットで、
棚に並べてある古い日本語の本
の中に見つけた文藝春秋。


芥川賞を取った「コンビニ人間」
が掲載されていたので借りました。








村田沙耶香の小説は「消滅世界」だけ
読んだことがありました。

すごい世界のことを描くなあとちょっと
こわいくらいの感想を持ちました。


そして「コンビニ人間」。


確かコンビニでアルバイトをした時
の経験をもとに書いたというようなことを
インタビューで話していたように記憶していますが、
消滅世界を読み終えた時と似た読後感。


村田沙耶香(の描く世界)って何だかこわい。


でもね、別の意味でこの小説、
今の日本社会への痛烈な皮肉とも取れます。


その他大勢ではない、その他大勢になれない人間
の生きにくさ、
世の中の同調圧力のおそろしさ。


でもだからと言って、希望を、
明るい出口を描いているわけでもない
ところがまたこわいのです。



サツマイモのケーキ、スポンジケーキタイプ








長年焼いて来たヘビークリームと卵がたっぷり
のサツマイモのケーキでしたが、
スポンジケーキタイプのを焼いたら
家人がこっちの方がいいと言うので今日は
サツマイモのケーキですが、
スポンジケーキタイプを焼きました。


まずは私は電子レンジでチンは嫌いなので、
生地に混ぜるサツマイモを茹でました。









これをスポンジケーキの生地に混ぜます。






茹でてサイコロ状にしたお芋は
けっこうたくさん入っています。


底に沈んでいるので最後に表面にも
お芋を乗せました。

 




いつものサツマイモのケーキのつもりでいたら、







あっと言う間に焼き過ぎました。


でも中は意外としっとりです。
確かにこちらのタイプも美味しいです。


それにしてもレシピの2つ分の量でこの大きな
パイレックスのお皿1枚分。


3/4は冷凍です(笑)。






2019年11月2日土曜日

ツーソンで初外ラン







数日前のツーソンの朝7時の気温は3℃。
今朝は8℃でしたが、
朝晩の気温はかなり下がっています。

そろそろ外を走り始めないとと今日、
ツーソンに来て初めての外ラン。

ただここの砂漠気候をちょっと侮っていました。
走り出した時間が良くなかった。

午後2時と言えば、1日で一番気温が上がり
始める時間です。

上はタンクトップでしたが、下は冬用のタイツ
の上にランニングパンツ。

走り始めてすぐにタイツは膝までまくりました。
だって気温は31℃。
日差しは強く、暑いのです。







砂地のトレールがあるところは砂地
の方を走りました。






とりあえず3マイル以上、あるいは1時間
走るつもりで、リバーウォークが終わった
約2マイルの地点でUターン。

戻りはさらに温度は1℃上がって32℃。

1℃の差でも暑さが増したことを実感。






太陽、ぎらぎらです。






ちょうど1時間走って距離は4.19マイル、6.7キロ。


1キロ8.9分ペース。
まあまあのスピードです。








やはりランニングはカロリー消費が高いです。






呼吸は全く問題なかったですが、
平均心拍数は
意外と多いです。

初めて外で履いたランニングシューズは
砂埃で白くなったので外の水道で洗いました。

汗びっしょりになったので即シャワー。

なかなか気持ちがいい。


走ることを習慣づけないと。