2015年10月9日金曜日

北アリゾナ大学での銃による殺人、犯人は車に40カリバーを持っていた



(日付は今日ですが)昨夜、北アリゾナ大学
で起こった銃による殺人。

始まりは学生同士の喧嘩、
いったん喧嘩から飛び出した犯人は、
車に持っていた
40カリバーのハンドガンを持ち出して、
新聞によると10フィート(約9メートル)
の距離から何発か撃ったようです。


殺された学生はフラッグスタッフ市の
アクアプレックスという
プールのある総合スポーツ施設で
ライフガードをしていたそうで、
アクアプレックスでは今日から週末の間
プールは閉鎖するとのこと。


事件後、大学側のスタッフの一人、
エヴァさんは、
「これは予測されたこと、
この国に存在する3億丁の銃の1つが
この学校でも使われるだろうって、
それは時間の問題だったのです」

そして彼女は続けます。

「私はこの町の住民に提案します。
もっと分別のある銃規制を支持する勇気を
持つことを。
銃が簡単に手に入ることで安全が
保たれるわけではないのです」と。

彼女はきっとリベラルな考えの方なのでしょう。


⭐️


ここに興味深いリサーチがあります。

アリゾナデイリーサンと言うローカルの新聞
に載っていたデータです。


全米での銃規制の厳しさと銃犯罪の数、
そしてその2つのデータと
州による民主党と共和党の投票率を
かぶせたものです。


銃規制の点数が一番高いのはカリフォルニア、
その後はコネチカット、ニューヨーク、
マサチューセッツ、ニュージャージーなど
イーストコーストの州が続きます。

何とアリゾナは全米で最低の6、
次はアラスカで7。
最高点のカリフォルニアが89であることに
比べたら、この低さは論外です。


次に銃犯罪による犠牲者の数。
数字は10万人につきの数です。

一番高いのはアラスカの19.6、次は
ルイジアナの19.2、
アラバマ、ミシシッピなどの南部の州が
続きます。
アリゾナは14.2、ちなみにお隣の
ニューメキシコは15.6となっています。


そして何と言っても一番興味深いのが
最後の統計で、
縦軸は銃犯罪による犠牲者の数、
横軸は銃規制の厳しさの点数。

青い丸印が民主党投票率、
赤いのが共和党投票率、
アラスカとアリゾナの丸印が共に、
一番左の上に位置し、
両方とも丸印は赤、
即ち共和党が強いということです。

当然、グラフで最も右で下にあるのは
カリフォルニア、あとは規制が厳しい
コネチカットなどの州、
そしてハワイも。

民主党支持者が多いのに
銃規制が弱くて銃犯罪の多いという州も。

ニューメキシコやヴァーモントなどです。


でもこのグラフで見る限りでは、
有無を言わせず、アリゾナはチャンピオン
ですね。

共和党→銃規制が低い→銃犯罪による
死者が多い
というすばらしい図式が出来上がっています。


アリゾナに引っ越してまだそんなに
たたない頃、
フェニックスへ行った時に、
フリーウェイの渋滞で、目の前のトラックの
バンパーススティッカーを
こそっと思わずカメラに収めた私。

それには
<チャールトン・ヘストンを大統領に>
と書かれていたのです。

チャールトン・ヘストンは当時の
アメリカライフル協会の会長でした。


9年前に息子が初めてフラッグスタッフ
に来た時、
ガンショップの看板をカメラに収めながら
もらした一言。

「こんなとこにいたら、殺されるで」

ロサンジェルスで育って学校に行った息子は
アメリカの他の場所で住んだことはなく、
そんな彼が初めてアリゾナに来て、
肌で感じた言葉
だったのかも知れません。


先日ジムのメンバーで
サンフランシスコピークスに登りましたが
道中の車の中での
マネジャーと友人らしき女子の会話は
射撃場でピストルを撃った時の話でした。

あぁ、彼女たちもピストルぐらいは
持ってるんだ、と
聴こえて来る話の内容の、
あまりにもの銃の存在、
銃を撃つことの当たり前さに
一人、心の中でため息をついた私でした。


マネジャーのクリッサはごく普通の女のコ。
ジムも彼女が来て、とても良くなりました。

そんな人だけど、鉄砲は持ってるんですね。

アメリカ人の場合、銃の所持って、
人格とかそういうのとは別の地平に、
空気のように存在するもののような気がします。

銃を買って持つことに何のためらいも
躊躇もない。

彼女に、鉄砲持ってるんだ、ともし私が
不思議そうな、怪訝そうな顔をして言っても、
きっとえっ、どうして?と
逆に聞かれるのがオチでしょう。



オバマ大統領は2期も務めたけれど、
銃規制の強化には至りませんでした。


⭐️


北アリゾナ大学のスタッフのエヴァさんは、
コメントをこう締めくくっています。

「(銃規制を行わない限り)同じ事件は
繰り返し起こり続け、
同じ結果が生まれるだけなのです」












 







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