2014年12月10日水曜日

菅原文太とレブロン・ジェイムズ








高倉健さんと菅原文太さんが

数日をはさんで、
次々と亡くなりました。

私は「任侠」ものと言いますか、
いわゆるやくざ映画は見ていなくて、
「仁義なき戦い」のどれかのシリーズを
テレビの深夜放送で見たことがあるくらい。


その時も、何てすさまじい映画なんだ
と思ったくらいでストーリーも
全く覚えていません。


高倉健さんの映画は「ブラックレイン」
しか見たことがない。


後年、菅原文太さんが有機農業を
されているという記事を読んだことがあり、
あれ、そんなことをしてらっしゃるんだと、
ちょっとびっくりしたことを覚えています。


やくざ映画のヒーローと有機農業がどうも
結びつかなかったんです。


亡くなってからの新聞等の記事で、
政治的活動も含め、
様々な活動をしていらしたことを知って、
何だかとても切なくなってしまいました。


高倉健さんの訃報を聞いた時とは
全然違う何か。


私が一番驚き、そして感動したのは、
1933(昭和8)年生まれ、
ということは終戦当時は12歳で、
小学校ではおそらく戦時教育を
受けられたはずの世代であり、

しかも超がつく有名な映画俳優
でもあった菅原さんが、
東北の大震災の時に、
こんな時に映画に出ていられないと
山田洋次監督の映画出演を辞退し、
被災者の方々の支援、
反原発の活動、
日本ほどの先進国に有機農作物が
少な過ぎると、有機農業を始められ、
死の直前には沖縄知事選に駆けつけて、
応援演説をされていた。


そんなことを次々と知るほどに、
月並みですが菅原文太さんの<偉大さ>
が心にしみて来たのです。


ところがそうではあっても今回、
高倉健さんと菅原文太さん、
二人の死に関して、
メディアでの取り上げられ方は
ずいぶん違っていたように感じました。


反原発、平和運動、
(いつの時代にも)主流とは言えない
有機農業、
そういうことに関わっていた、
いえ自ら率先して実践していた文太さんは、
マスコミとそれを支える企業にとっては
<無色>ではなく、
そういう<無色>ではないゲイノウジンは、
企業イメージと経済効率から考えて、
日本では×なのですよね。


そういう事情がよくわかった、
この日本の二大俳優の死の扱い方。


翻って、この⬆の写真。


デジタル朝日からお借りしました。


NBAのスーパースター、レブロン・ジェイムズが
ニューヨークで白人警官に殺された
黒人男性が、死の直前に
繰り返していた言葉をプリントした
Tシャツを着て、練習している写真。


そんな抗議をした(Tシャツを着た)
からって、NBAもアメリカのマスコミも、
レブロンを干したりしませんよね。


歴然と差別は残るアメリカですが、
少なくとも、パブリックな人の、
こういう主義主張は尊重されている。


テレビ等で取り上げるのに二の足
をふまれる菅原文太の死と、
レブロン・ジェイムズの抗議。


日本は変わってないなあと
つくづく感じた私だったのです。


文太さん、安らかに。

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