日本でアメリカの古着がブームになった
のっていつごろからでしょう。
70年代、ポパイが発売を開始。
Made in USA などというカタログ本も
売り出されました。
あの当時売り出された、タイトルは忘れましたが
別のカタログ本を持って、初めてロサンジェルスの土を
踏んだのももう何十年も前のこと。
あの本に載っていたメルローズの古着屋まで
バスで行ったことを懐かしく思い出します。
あの当時、アメリカの若者の服装が
新鮮に見えたのは、1つにはあのちょっとくたっとした
感じ、真新しくてピシッとしたものではなく、
体になじんだ、ちょっとヨレっとしたくだびれ感だった
のではないでしょうか。
あの当時、もちろんグッドウィルはすでに
あったでしょうし、ただのボロ屋さんのような
古着屋もあって、値段はめちゃくちゃ安かった。
メルローズの古着屋、
確かアードヴァーク?だったかな。
そこだってすごく安かった記憶があります。
もちろん時代は違いますけれど。
☆
バブルの頃、日本でも古着屋というビジネスが
大繁盛し、若い男のコ用の雑誌では繰り返し
アメリカの古着特集が組まれたものです。
ジーンズはもちろん、
ジージャン、軍用ジャケット、スウェットシャツ、
ペンデルトンのシャツなどなど、
型からデザインから、タグの違いからステッチの
違いまで詳しく解説してくれていましたよね。
☆
で話は私の仕事場、グッドウィルです。
私が働くのは<プロダクション>エリア。
寄付されて仕分けされたものに値段をつけるのが
私の仕事。
Pricing (プライシング)のスピードはまず、
そのもの(靴なら靴、バッグならバッグ)の
Grading (要するに見極め。どれを捨てて
どれを残すか)にかかっています。
そしてその Grading にアメリカ人と日本人の私の
違いが表れるんですよね。
もちろん全てが使用済み。
靴からベルトからバッグ、ソックスからブラジャーから
下着まで。
でもメインは靴です。
毎日、毎日、山ほどの靴が寄付されて来ます。
仕分けされたトートというプラスチックの箱の数が
一番多いのが靴なんです。
もちろん作業にはぴたっとした薄いゴムの
手袋を私は2重にはめています。
これはちょっとだめでしょう、と私が思うのと
これはまだ値段をつけて売れるという
彼らの感覚との差が大きいんですよね。
今日はそれならと思って(私の感覚では
とても売れないと思うけど、それではだめかなと
思って)出した靴たちを一人のアシスタント
マネジャーが何足も戻して来ました。
どうすりゃいいのヨ。
わかんないなぁ・・・。
というお話でした。