最近欲しいものがない、欲しいものに出会わないと
前に書きましたが、
欲しいもの、いえ、欲しくなったもの、
ありました。
藤沢周平全集、及び文庫本でいい、
藤沢さんの全著作です。
☆
藤沢さんは人に教訓を垂れることをきらったかた
であろう。どの作品を読んでも、教訓にふれる
ことはめったにない。が、『蝉しぐれ』に
こういうことばがある。
「兵法を学んでいると、にわかに鬼神に魅入られた
かのように技が切れて、強くなることがある。
剣が埋もれていた才に出会うときだ。
わしが精進しろ、はげめと口を酸くして言うのは、
怠けていては己が真の才にめぐり合うことが
出来ぬからだ」
これは写真の「藤沢周平のすべて」に
収められた文章の中の宮城谷昌光さんのもの。
「蝉しぐれ」さえまだ読んでいない私ですが、
この言葉には襟を正された気持ちになりました。
この中に収められた書くことがプロの人々の
様々な文章にため息が出ます。
当たり前と言えば当たり前のことでしょうが、
どうしてこんなすてきな表現が出来るのだろう、
どこからこんなすばらしい文章が出来上がるのだろうと
私にはただただその才能に頭が下がるだけです。
もちろんだからこそプロの物書きでいらっしゃる
わけでしょうが・・・。
私もでも素人は素人なりに、文章を書くということに
はげみたいと思うのです。
それは私だけのこだわり。
真の才何てあるとも思えませんが、怠けない
ことは出来そうです。
藤沢さん、そして宮城谷さん、ありがとうございました。
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