2015年8月5日水曜日

パタゴニアの取り組み、それを支える人々








フラッグスタッフに引っ越して、
今年で10年目ですが、
私が赤ワインを冷やして飲むのも、
お水を冷やして飲むのも初めてです。

今日の最高気温は28℃でしたが、
実際にアパートのオフィスの建物につけてある
温度計では30℃ありました。

日本の猛暑に比べたら、
湿気も30%以下というドライさもあり、
「暑い」なんて言ったらしかられそうですが、
それでも、この場所にしたら、
今年はやはり気温は高いです。

エアコンのついていないアパートなので、
窓側に四角いファンを置いているところも
けっこう見ます。

でも朝方には12℃とかに下がる、
典型的な砂漠の気候です。




一昨日届いていたパタゴニアからの
新しいカタログ。

100%再生紙になってからは
もう以前のようなツルツル、ピカピカ
ではなく、
ちょっとざらっとした手触り。

でも<紙>を触ってるなと感じます。


表紙は1頭のバファロー。









表紙をめくると、見開きの右ページに、
パタゴニアの創立者であり、社長の
イヴォンのメッセージ。


私たちはすでに干ばつ、
破壊的な暴風雨、海気水の酸性化
といった気象の変化を経験している。

我々はこれを甘受するしかないのだが、
だからと言って、私たちに希望がない
わけではない。

実際のところ、この地球規模の気象
の変化と闘える最善にして刺激的な道具は、
私たちのこの、足の下に存在するもの、
<土>だ。


とは言え、土の扱い方を変え
なければいけないし、
そこから農業が始まるんだと、
化学肥料や除草剤で弱った土を生き
返られせる方法を彼は説明し始めます。







彼曰く、現代の工業的農業は、
世界中で使用される水の70%に対
して責任を負うべきであり、
車や飛行機や列車より多くの
CO2を排出していると。

まあ実際の数値はわかりませんし、
アメリカと並ぶ規模の農地面積を持つ
オーストラリアでの農業が
どこまで工業化されているのかという
知識はありませんが、
この広大な国土の約4割が農地だという事実
をふまえると、
アメリカが負うべき責任はかなり
大きいのではないかと私は思います。


ナチュラルグローサーズで置いている
野菜や果物はすべてオーガニックだし、
最近、ホールフーズでもオーガニックの
プロデュースの割合が増えている、
とはいえ、オーガニックファームの割合なんて
微々たるもの。

そうした現状を改善すべく、
土を蘇らせるプロジェクトとして、
サウスダコタでのバッファローファームなどと
組んでの、グラスフェッドバファローの
ジャーキーを売り出した、
というのが上の写真の、
バッファローのお肉のジャーキー。








同じコンセプトによる、
もう1つのプロジェクトが
アルゼンチンでの羊ファーム。










そのファームで育った羊の毛で作られた、
パタゴニアの新しいメリノウール
のラインが<メリノエアー>の
ベースレイヤーだそうです。



自然と対抗するのではなく、自然と共に働くこと。

小さなスタートかも知れないけれど、
ここからしか今の地球がかかえる問題の解決は
始まらないだろう。


そう、イヴォンは書いています。
さすがに
The Responsible Companyの著者です。

日本の農業に携わる人々も
ここから学べることは大きいと思います。


先日もモンサントの強力除草剤
ラウンドアップのことを取り上げましたが、
今アメリカの農場では、
ラウンドアップに耐性のある、
巨大雑草が問題になっているというコラムを
読みました。

こんな恐ろしい雑草がはびこり始めたら、
一体、農地はどうなってしまうのか‥‥。


ここまで破壊されてしまった地球は、
すでに本来の自然治癒力を失い、
人間の力で戻してあげるしか、
方法はないのです。


日本の今年の猛暑も、
フラッグスタッフの今年の夏の気温の高さも、
地球が、自然が、何かを私たちに
告げているのかも知れません。










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