2013年12月2日月曜日

ノーベル文学賞、アリス・マンロー、村上春樹、ウォールグリーンとレイモンド・カーヴァー



今年のノーベル文学賞はカナダの女性作家、
アリス・マンローでした。

ロサンジェルスのブックオフで買ったまま、
しばらく手に取らなかったこの本、
読み出しましたが、なかなか進まなかった。

私は短編集と言えども、律儀に
最初のストーリーから読み始めるのですが、
これに関しては、面白そうかなと
思ったものから先に読み出しました。

でも<一瞬が永遠に変わるさま。
長い年月を見通すまなざし。>と書かれた、
裏表紙の言葉にうまいなあ、
まんまと引っかかっちゃったよ、と思わされるくらい
私にはあまりぴんと来る話はなかったんです。

それが日本にいる間に決まった、
今年のノーベル文学賞。

へぇ〜、って感じでした。

ほんの少しだけレイモンド・カーヴァーを
思わせるようなところもありますが、
いやぁ、そんなにすごい作家だったのか‥‥。

この短編集の中で私が唯一、何だか感動して、
2度読み返したストーリーが
「浮橋」。

これは巧いんですよねぇ。

彼女の6、7年前に出た
The View From Castle Rock
も読んでみたいです。




それにしても、今年の日本のベストセラーは、
トーハンだったか日販だったかの売り上げ1位の
村上春樹のあの「色彩を持たない多田云々‥」
と新聞の記事に出ていました。

えっあれがぁ?

あれがそんなに売れたのぉ?

私には信じられない‥‥。



ここからはおまけ(?)。

私はレイモンド・カーヴァーが大好きですが、
レイモンド・カーヴァーを日本に知らしめた
という点では村上春樹が担った役割はすばらしいと
思います。
何でまたレイモンド・カーヴァーの話に
なったかと言うと、
実は今日、めったに行くことのない
町のウォールグリーンへ行ったんです。
薬をもらいに。

ファーマシーで処方箋を渡す列に並ぶ
人々を見ていたら、
何だかレイモンド・カーヴァーが描いた世界と
かぶさってしまったわけです。

貧しそうで、うらぶれて、でもしっかりと
ぶくぶく太った、生気のない人々。
服装、持っているもの、靴、どこから見ても
生活に疲れたような、人生、終わったような
感を漂わす人々。

実に、いまだにアメリカの田舎町の
風景だなあと感じたわけです。

そしてレイモンド・カーヴァーは巧いと‥‥。

日本にいたらそれを感じるのはちょっと
難しいかも知れないけれど、
アメリカの片田舎の、決して裕福ではない
こういう町に住んでいると、彼の物語が自分の
目の前に存在しているのですよね。

春樹さん、レイモンド・カーヴァーを
紹介してくれて、本当にありがとう!









2 件のコメント:

  1. こんにちは、tomokoです。
    しばらく、こちらを覗いても更新がされていなくて、どうされたのか心配していました。
    お元気そうでなによりです。
    これからも、楽しみに拝見しておりますので、よろしく・・・

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    1. tomokoさん、ご無沙汰しております!コメント、ありがとうございました。
      日本に長く滞在していて、更新が出来なかったんです。
      ご心配おかけして、ごめんなさい。
      私は寒さに負けず、元気で過ごしています!
      今年もあとわずかですね。何かとせわしない時期ですが、お身体に気をつけて
      お過ごしくださいね。

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