2018年5月1日火曜日

本、音楽、映画でつながる恋愛、そして友だち



以下はハフィングポストの連載
からのコピペです。

新宿歌舞伎町の本好きなホスト
である男性のコラム。

私はけっこう好きで毎回読んでいます。



学生時代に好きになった男の子は
本、音楽、映画に夢中でした。


そして自分も彼と同じ体験をしたいと、
彼が読む本を買って読み、
彼が持っていたレコードを買って
聴いていました。


兄というものがいなかった私には、
彼はまるで当時の流行りのもの(本、音楽、
ファッション)を次々と見せてくれる
お兄さんのような存在でした。


大人になって好きになった人も
やはり人生には本と音楽と映画しかない、
と言う人生を歩んでいた人でした。



今も私にはそういう話題でいくらでも
話し続けられるような人しか
友だち関係を続けられていないような
気がします。


数は少ないですが。


一つ言うなら、このコラムの筆者
であるマキさんが言うところの
「生まれつきのインテリ」
よりは、
インテリ家庭に育たなかった人の方が、
柔らかい吸収力によって
本当の意味での「インテリ」
になれるような気もします。



「教養の無いところに幸福無し、
教養とは、まず、
ハニカミを知る事也。」


太宰治。





🌠 🌠 🌠 🌠 🌠



幸せな、隣のカップルの会話

レストランでご飯を食べていたら、となりの席で男女が「ブラームスのヴァイオリン協奏曲の、あの指揮者がタクトをふっていた」「何年のどこどこで演奏されたバージョンが最高だよね」と話している。
高いテンションで「そうそう!」「巨匠の演出が...!」と言って盛り上がったりして。そんな場面に出くわしたら、ちょっと笑っちゃいますよね。なんだか恥ずかしいようにも見えるし、でも、どこか「うらやましい」感じもあります。
知識や教養を通して、人が急接近している感じって、僕すごく好きなんです。アートや音楽、映画の話で相手の中に共通点を見つけて「運命の相手だ」って感じちゃったりする。
一見、陳腐に聞こえるけど、愛とか恋とかの本質って結構ここにあると思うんです。そんな考えを再確認する本に出会いました。

「家庭的な愛」より「インテリ愛」

芥川賞作家の平野啓一郎さんが書いた、アラフォーの男女の切ない恋愛を描いた小説「マチネの終わりに」。青と黄色がにじみ合う表紙が幻想的です。
世界的な映画監督の娘であり、フランスの通信社でジャーナリストとして働く、バリキャリの洋子。
自ら手をあげて、危険なイラクを取材して仕事に打ち込んでいる。その一方で、家族思いで優しいアメリカ人の恋人・リチャードと婚約していました。
そんな洋子が、天才ギタリスト・蒔野と出会い、急速に惹かれてしまう。
家庭的なリチャードと、インテリの蒔野。
ハードな仕事の真逆にある、リチャードとの「家庭的」な"オフモード"の安らぎこそが幸せだと思っていた洋子。ところが、仕事への情熱や教養をぶつけ合う、蒔野との"オンモード"の「インテリ愛」に、ときめきを感じ、幸せが揺らぐんです。
洋子は迷っていますが、僕は言ってあげたいですね。迷わず蒔野を選べと。
(中略)

「インテリ愛」って嫌味でもある。

僕は蒔野や洋子のような教養とは縁がなくて、埼玉の田舎で生まれ育って、高校時代はラグビーばかり。
なので、東京・歌舞伎町で若くしてホストとして売れたあとは、「洗練された東京」に近づきたくて、身の丈に合わないほどの美味しいモノを食べて、お金持ちの人と触れ合って何かを学ぼうとしました。
歌舞伎町って、お酒の味には無頓着なところがあるため、それに舌が慣れるのはまずいと思って、みんなで勉強してソムリエの資格も取りました。
それでも、子供の頃から、教養に触れさせてもらって育った「生まれつきのインテリ」には絶対かなわないんですよね。だからどうしても洋子や蒔野を見ると、ちょっと「嫌な感じ」で見てしまう。

感情が広がる感じ。

でも、この本を読んで「負け犬の遠吠え」はやめようと思いました(笑)。
だって、蒔野と洋子を見ていると、直接会ったりセックスしたりできなくても、心と心が繋がってる。スカイプを通して、何時間でも会話ができるっていい愛ですよね。
音楽でもマンガも、その辺の風景でも、恋愛相手と、感じ方が同じだったり、違ったりしていいんです。同じものを共有しているのに、「これってこうだよね?」と伝えたとき、相手と感じ方が違うと、最初はびっくりする。でも、別の視点が自分の中に入り込み、"自分の感情が広がる感じ"がしてくるんです。
(中略)

「焼肉とゴルフだけの人生」禁止。

僕は、新人ホストに配る「心得」に、「教養の強要」という文章を載せています。「30歳を過ぎて、いくらお金持ちになっても、焼肉とゴルフにしか興味なかったら誰も振り向きません」と書いています。
手塚マキさん提供
手塚さんが新人に配っている「ホストの心得」を書いた資料から抜粋
もちろんゴルフも焼肉も楽しいですよ。単なる例ですけど、お金を使って、大雑把でわかりやすいことだけをするのではなく、繊細な喜びを経験するってことも大事ってことです。「バラ」のようなホストクラブの定番の花だけではなく、道端の雑草みたいな花を見ても、喜べた方がいいですよね。
人が悲しいときに、100通りの悲しみを想像できる。人が嬉しいときに、100通りの嬉しさを共有できる。音楽や映画を通してそういうのを学ぶ。教養って結局のところ、感情の細かいところから荒いところまで、大雑把な感動から、誰も気づかない小さな感動まで、誰かと一緒に何かを感じ取れる幅を広げることだと思うんです。
恋愛は、役割を押し付けられると、離れたくなるものです。でも「インテリ愛」で人と繋がっていくと、恋愛が積み重なった人生の方が、幸せだと僕は思えてくるんですよね。



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