2010年7月15日木曜日

アリゾナの姿勢、カチーナの住む山を踏みにじる

ここフラッグスタッフで毎週水曜日発刊の
<ナバホ・ホピオブザーバー>という無料の新聞。
今週の水曜日に出た号のトップ記事は
FDA(米国食品医薬品局)がフラッグスタッフの北にある
スノーボウルというスキー場を拡張することを承認した
というもので、これはリザベーションの住民を
深く失望させたという見出しです。
☆☆☆
記事によればこの問題についてネイティブ側の弁護士である
ハワード・シャンカー氏が、建設工事を多少なりとも
食い止めるために、一時的な制限を求める訴訟を
起こしていたのだけれど、それが正式に裁判所に
受理されたのは祝日の独立記念日の週末
(7月5日まで祭日でした)の後の7月6日。
USDA(米国食品医薬品局)の長官である
トム・ヴィルサック氏がゴーサインを出したのが7月1日。
これってきっと意図的だと思いました。
スノーボウルのオーナーであるエリック・ボロウスキー氏は
フラッグスタッフの市会議員に(人口雪を作るための)下水の
処理水の使用についてお伺いを立てると言っていますが、
市会議員はもうこれを承認しているのです。
ただこれについては7月29日から始まる
Flagstaff Water Commissionと一般市民との
話し合いで討議されるとのこと。
以下は前のホピ政府の委員長である
ベン・ヌヴァムサ氏のコメントです。
<我々ホピはこれからもずっとヌヴァティクィオヴィ(サンフランシスコ
ピークスのオリジナルのホピの呼び名)を聖なるところと信じます。
だからこそこの聖なる山を守るために戦わなければいけないのです。
いかなる法的、政治的なおかしいことが我々の目の前に
積み上げられてもです。
これが我々の生きる道です。
私たちの伝統と儀式は我々の存在の根幹であり、
それはこれからも続くでしょう>
私はこれを呼んで涙が出て来ました。
ホピの神様であるカチーナが住む、聖なる山に
トイレや下水を浄化した水で作った人口雪を降らせる。
私の仕事場のアシスタントマネジャーである
だんなさんがオーストラリア人で、自分もパースに
何年か住んだことのあるダイアンは、オーストラリアでは
<ポータブルウォーター(下水の浄化水)>を飲料水として
飲んでるから、私はそれ(下水の浄化水を人口雪に使うこと)
自体にはあまり抵抗はないのよ、と。
えっと私は聞き返したけれど、そうらしいです。
でもいくら浄化されたとは言え、トイレの排水や下水の水です。
そんな水を使ってまで人口雪を作って、
今よりスキー場を拡張して、一体どれだけのベネフィットが
あるのか・・・。
新しいスロープ、もっと大きなロッジ、それをするのに
何百億円ものお金がかかるのです。
でもこれに投資する金持ちがまたいっぱいいるのだそうです。
☆☆☆
昨日お店に来たホピのお客さんマーガレットと
レジを終えてからこの話になり、彼女も涙ぐんでいたように
感じました。
ここの人たちにとってはインディアンの聖なる山なんて
何の意味もないし、ただのビジネスの対象でしかないのよね。
自然を残そうなんて意識もないし。
私も許せない。
ホピの神様、カチーナ。
カチーナが大好きな私にはこれってカチーナの顔に
泥を塗るようなもの。
ホピは聖なる山には登らないし、登る時はセレモニーを
して清らかな心で登るようになっているサンフランシスコピークス。
そこにスキー場を作った時点でもアウトだけど、
そこにトイレや下水の水を撒くなんて・・・。
私も私に出来ることで関わりたいし、戦いたい。
そう強く思いました。

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