2015年6月3日水曜日

「サフランキッチン」読了、何て力強い物語







長いことかかりましたが、
やっと「サフランキッチン」を
読み終えました。

著者はこれが処女作ですが、
こんなパワフルで、
飽きさせることなく読める長い物語
が、初めて書いた小説だとは
信じ難いほど、すばらしい作品です。


ヤスミン・クラウザーは
イラン人の母とイギリス人の父親を持つ、
イギリス生まれの女性。

私はインド系女性作家、
ジュンバ・ラヒリも好きですが、
ヤスミン・クラウザーのこの物語は
いつもやさしいとは限らないけれど
雄大なイランの自然と
そこに根付く叙情詩が、文章の端々から
読者に「視覚的」な効果をもたらしつつ、
イギリスとイランという
ふたつの文化、言語、の間で語られる
2世代にわたる母と娘の物語。

そこに絡まる、母の若いころの純愛。



日本語の翻訳は小竹由美子さん。

私が初めて手にした
アリス・マンローの「イラクサ」を
翻訳していらっしゃいます。



両方ともロサンジェルスのブックオフで
手に入れましたが、
この「サフラン・キッチン」を読んで
売りに来られたのはどんな方だったのか、
そんなことまで想像してしまいました。


そしてこれを映画化してほしい
とふと思ってしまいましたね。

だって文章は多分に映像的なのですもの。















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