ホピで毎年走っている トレールランのレースのコースは 石ころだらけ、
砂だらけ、 大きな岩の間をすり抜け、 ふぞろいな岩の階段を走り下り、 また上りというかなりハードな ものです。
でもそんなコースをひたすら走って いると、ハードなのに、 脳の中から(たぶん)、 楽し〜〜いという気持ちが わき上がって来るのです。
狼少年ケンになった気分(笑)。
大げさに言ったら、 ほんのしばしでも <野生>に還った気持ちになるのです。
養老孟司さんは<壁>シリーズ
の中で、一貫して、
都市化された町に住む人間の脆弱さ
について書いていらっしゃいます。
要するに、都会では(今は田舎も
都会と変わらないかも知れませんが)
意識もしないで、ただ体をがっつり動かした
という経験が、人間からなくなっています。
(例えば土という)基盤を失くした
人間は弱くなり、「その弱いところにつけ
込んでくるのが宗教で、
典型が一元論的な宗教です」
と養老さんは「バカの壁」の
中で書いていらっしゃる。
一元論的な宗教とは
一神教のことです。
キリスト教のプロテスタント
然り、
イスラム教しかり。
(太平洋戦争の)戦時中の日本も、
<現人神>を奉る、
一神教みたいなものだったでしょう。
「思考を停止している間が
一番気持ちがいい。
即ち、一元論でいる方が楽だということ。」
例えばオーム真理教なども、
信者の頭の中は麻原の教義
と説法だけでいい。
ホピのレースからはちょっと
ずれましたが、
冒頭の写真は、雑誌「ナンバーDO」に
載っていた、
GO WILD
という本の著者のインタビュー記事です。
この著者の前著、
『脳を鍛えるには運動しかない』
これも読んでみたいです。
「数百万年の間、人間の基本的な遺伝子
はあまり変化していません。
とくに我々ホモ・サピエンスの身体は、
過去数万年、ほとんど変わっていないのです。
そこで私が考えたのは、
『DNAは我々にどういう暮らしをせよと
言っているのか?』ということでした。
そこから『GO WILD』に向けての
リサーチが始まったのです。」
中略
インタビュアーの、一気に
1万年前まで遡る必要があるのか
どうか、という質問に、
「ポイントは、農耕が始まったのが
1万年前だということです。
以来、人々は一つの土地に定住する
ようになり、
部族は大きくなり、
麦や米などの穀物、
つまり炭水化物を主食にするように
なりました。
農耕と定住生活によって文明が進化
したのは確かですが、
一方で、過度に炭水化物を摂取する
ようになって、
人々の健康状態は
どんどん悪くなっていったのです。
確かに日本でも昨今は
肥満率が上がり、
糖尿病患者の数はおそろしいくらいです。
でもこの著者がここで言うことに
当てはまるのは、やはり
アメリカ人ではないかなと思うのですが、
アメリカ人だって、
これだけの肥満率は
ここ50年くらいのものでは
ないでしょうか。
ずっと小麦のパンを食べ続けてきた
アメリカ人なのに、
なぜここ半世紀でこんなに
太ってしまったのか。
私は定住生活と小麦の摂取だけが
原因とは思いませんが、
確かに現代人の生活は、
人間の動物としての本来の生活サイクル
からは、かけ離れていますよね。
スマートフォンの見過ぎから
起こる弊害は
様々なメディアで取り上げられていますが、
この著者は、
スマートフォンの見過ぎによる睡眠不足は、
①太る。
②病気になる。
③ばかになる。
という3つの問題をもたらすと話しています。
運動、食事、睡眠を変えれば、
人間はもっとマインドフルになれます。
まあね、だからアメリカでは、
<パレオダイエット>が流行るわけですが、
食べ物も大事だけど、
やっぱり、生活スタイルの改善ですよね。
しっかり体を動かして、
ぐっすり眠る。
そして出来る限りは、
自然な食べ物を口に入れる。
水上勉さんの著書に「土を喰らう日々」
という本があります。
これこそが今を生きる私たちの
究極の<サヴァイヴァル>かも‥‥。
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