2015年2月18日水曜日

風刺画って何? 自由とわがまま









これは誰でもおそらく1度は目にした
ことがある「鳥獣戯画」です。











蛙とうさぎの相撲。


これって何かを意味しているのでしょうか?










法要の画。


大僧正は猿。


ご本尊は蛙。


これも何かを皮肉っている
のでしょうか?










17日の読売新聞に載っていた記事。




アニメーション映画作家の
宮崎駿さんが、
ラジオ番組の中で、

「異質の文明に対して、崇拝している
ものをカリカチュア(風刺画)の
対象にするのは、僕は間違いだと思う。
やめた方がいい」

と述べた。


また番組内で紹介された
インタビューでの発言で、風刺画は
「まずもって自国の政治家に対して
やるべきだ」とも指摘した。




私はずっとデンマークやフランスで、

イスラムの予言者であるムハンマド
の風刺画が描かれること自体を
なぜなのか、不思議に思っていました。


遠いよその、彼らからはおそらく
想像もつかないような土地に
暮らす人々の間に発祥した宗教
について、彼らは一体どのくらい
知っているのか。


もし彼らがカソリックか、
プロテスタントかで、
同じ<一神教>であったにしろ、
イスラムの文化に根ざすイスラム教の
何をわかっているのか。


それなのに、絵で風刺するなんて、
アーティストだから、
表現の<自由>だから
何を描いてもいいというのは
一種の奢りではないでしょうか。


もっと言うなら、それはある種の
<差別>意識から来るもの
ではないかと。



何でわざわざそんなことを
するのか。
それは単に、オレは描きたいものを
描くんじゃ、
それのどこが悪い、という
<わがまま>なんじゃないのか、と‥‥。



それこそ、宮崎駿が言うように、
自国の政治家に対してやればいい
んじゃないの?って。




学生時代に読んだ、
本多勝一の本に書いてあったことです。


彼も朝日新聞とともに、
日本に長くはびこった、歪んだ
自虐史観をうえつけた張本人の一人
だと認識していますが、

でも、どの本で読んだかは忘れましたが、
彼が書いたこの文は、
それまで外国になんて行ったこともなかった
私の世界の他民族に対する認識を
大きく変えることになりました。



世界中で、レストランで働いている人が
お皿を割って謝るのは、
おそらく日本人と、数少ない
それまで侵略されたことのない地域の
人たちだけではないか。


アラブの世界では、もしレストランで
働いている人がお皿を割った場合、
彼らは謝るどころか、
「この皿は今日、割れる運命にあったのだ」
とさえ言う、と。


なぜなら、この世界では、
自分の非を認めて謝れば
どんな罰が下されるか、
彼らはわかっているからだ。



もうずいぶん前に読んだ本なので、
表現が合っているかも定かではありませんし、
本多勝一のたとえが、
偏ったものだったかも知れませんが、
これに近いことを書いてらした
のではないかと。


それくらい日本とアラブの社会を比べたら、
そんなに違うというか、
真逆なんだ、とその時深く
心と頭に残ったのです。



西洋文明とイスラムの文明の間にも
きっと深くて暗い川があるでしょう。


そういう認識が、
こういうムハンマドの風刺画を描く
画家たちの中には
ないのでしょうか。



新聞記事で読んだ宮崎駿の言葉から、
そんなことを思った私です。



再び、PEACE!






!















2 件のコメント:

  1. 偶像崇拝を禁止しているイスラム教徒に対してムハンマドの風刺絵を描くことはイスラム教徒への冒涜としか思えません。

    イスラム教への偏見と差別はアメリカのネイティブピープルに対する差別ととても良く似ています、自分たちと違う理解できない異質なものとして扱う態度は許せません。

    実際のイスラム教徒はとても礼儀正しく優しい方が多いです。
    一部のテロリストによって多くの人が差別される現実が今後、少しでも良い方向へ変わることを望みます。

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  2. コメント、ありがとうございます。

    「無知」であることは恥ずかしいことですよね。
    「無知」であることはある意味、罪だと思います。
    でも世の中には、自分の無知にも気づかず、あるいは(教育で)気づかされず、
    <壁>を作って、無知でいることに心地良さを感じている人もいます。

    自分が理解出来る範囲の狭い価値観の中で生きて、
    それに当てはまらないことは全て、
    排除、もしくは攻撃だってする人たちもたくさんいます。

    <違い>を知ること、認めることって大切ですよね。

    それはもしかしたら、「教育」の賜物だったりして。


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