<・・・ヤケ酒というのは、自分の思っていることを主張できない、もどっかしさ、
いまいましさで飲む酒のことである。いつでも、自分の思っていることをハッキリ
主張できるひとは、ヤケ酒なんか飲まない。(女に酒飲みの少いのは、この
理由からである。)>
( )の中から察するに、太宰は女性は自分の思っていることをハッキリ
主張できる人が多いから、そんなに酒を飲まなくてもいい=酒飲みが少ない
と思っていたのでしょうか。
私にはヤケ酒が多い。
仕事場でいやなことがあった日にはワインの量が増えて仕方がない。
体に良くないと思いつつ、悔しさについぐいぐいとワインをついで
しまう。
英語で主張することのもどかしさ、イライラが結局家に帰ってからの
ワインに変わるんですよね。
とは言え、「太宰は酒飲みやからそんな風に書くんやろ。酒が飲めない
やつはどうするねん」とは我がつれあいの弁。
<私は議論をして、勝ったためしが無い。必ず負けるのである。相手の
確信の強さ、自己肯定のすさまじさに圧倒せられるのである。そうして私は
沈黙する。しかし、だんだん考えてみると、相手の身勝手さに気がつき、・・・
いろいろさまざま考え、ついヤケ酒という事になるのである。>
英語で言えば perfectly totally 私の気持ちを代弁してくれてるよ、太宰。
これです。これなんです。
もちろん私だって楽しく、気持ち良くワインを飲むときだってあります。
そうじゃないとワインに悪いじゃないですか・・・。
私が読んでいるのはちくま文庫の太宰治全集です。確かロサンジェルスの
ブックオフで買ったはず。
若いとき1つか2つの作品を読んだだけで(なぜか?)太宰が嫌いに
なった私は、今、太宰にのめり込んでます・・・。
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