私に電話だと。
かけて来たのはマーカスでした。
月曜日に奥さんのRuthをフェニックスの病院へ連れて行って
その帰りにフリーウェイで車がオーバーヒートして動かなくなり、
牽引をしてもらってフラッグスタッフまで来て、
フラッグスタッフでここの病院にRuthを連れて来たということでした。
彼女は脳にガンが出来ていて、フェニックスのインディアンホスピタルと
フラッグスタッフメディカルセンターの両方で
診てもらっています。
☆
ささっとランチを食べて、病院へ。
何とか見つけて車を停めたら、マーカスが病棟の建物の入り口に出て
私の名前を呼んでくれて助かりました。
Ruthは頭をきれいに剃って、やせ細っていました。
体はチューブだらけで、食べ物もチューブから注入するだけ。
いつもの調子でしっかりとはしゃべってはいたけれど、
私には彼女の状態の良し悪しは全くわかりません。
マーカスの息子さんとRuthの姪っ子が一緒で、
彼らをヴィレッジまで連れて帰ってくれる人を探して
あちこちに電話をしているのだと。
誰か(ホピの)お客さんが来たら、きいてみるからと
病院を去りました。
マーカスの1番下の息子だというニールはお父さんに似て
ほわっとしたやさしい男の子です。
写真に写っているようなガウンを私も着て、
病室に入りました。
☆
ホピの村に初めて行った時だったか、
これも初めて立ち寄ったセカンドメサのジュエリーショップ
(そこがトリニのお店だったのですが)で
買った2つの指輪のうちの1つが
マーカスの作った<コーンボーイ>カチーナのものでした。
つけているとたくさん、いいわねというコメントをもらい、
私もその時点ではカチーナのこともあまり知らないまま
これを作ったアーティストを探そうと決めていました。
奥さんがガンになって、彼はジュエリーを作るのを辞めている、
という話を何人かのホピの人に聞いて、がっかりしていたところ
彼のお母さんを知り、そしてマーカスにたどり着いたのでした。
☆
何と言うか<熊吾郎>みたいな人ですが(ごめん、マーカス)
子煩悩でとても心のやさしい人。
彼といるとこちらまで自然に笑顔がこぼれてしまう
そんな人です。
彼のジュエリーは毎日必ずどこかにつけています。
スネイクダンス、参加するの?ときいたら
僕はヘビが怖いから・・・とにこにこ笑っていたマーカス。
☆
私にお金がいっぱいあったら、シルバーをいっぱい買って
彼にジュエリーを作ってもらって、売ってあげたいです。
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