茶色い地毛の黒染めを強要した高校ひとつ悪者に仕立て上げても根本的な解決にはならない
(途中略)報じられた内容によると、当事者生徒の母親は入学時、生まれつき髪の毛(地毛)が茶色いことを学校側に説明した。
けれど学校側は特に聞き入れることなく、染髪や脱色を禁じる【生徒心得】を理由に、黒く染めるよう指導。「生来的に金髪の外国人留学生でも、規則では黒染めをさせることになる」とも述べたという。
校則には頭髪の規定がないが、入学時に配る「生徒心得」には『パーマ、染髪、脱色は禁止する』と記載しているから、と。
...馬鹿みたいな小話かよ~。
染髪、脱色を禁じているのなら「地毛を黒く染髪しろ」とは(笑)。
関西ならではのわかりやすいボケで、ツッコミ待ちなのかとすら思えてしまう。
そう言えばどこかで聞いた話。アルビノの人が食品関係のアルバイトをしようとしたところ「衛生面の問題で、染髪、脱色は禁止しているから、髪の毛を黒く染めてください」と言われたとか。
衛生面の問題で禁止してるなら、黒く染髪する方が問題だろうに!わっはっは!
...笑っている場合じゃないのかなあ。
ともあれ。
入学時に「地毛が黒色ではないこと」を説明したが、聞き入れなかった学校。
ほとんど"入学の条件"のように黒く染めることを指導されたわけだけれど...。
その段階で、当事者生徒とその母親は、なぜ「それを承知で入学する」という選択をしたのか。
地元の府立高校だからかなあ。学力的なこともあったのかなあ。金銭面ということも、考えられなくもないけれど...。
当事者生徒は中学生時代から、学校行事の際などには髪を黒く染めるなどしていた(させられていた?)らしい。
それが苦痛だったこともあり、高校では理解してもらえたら...と、説明に赴いたんだろう。
にも関わらず、むしろもっと強要する姿勢を入学時から示していたこんな高校には入るのをやめて、別の学校や通信制などを選択することはできなかったんだろうか。
そして、仕方なく?黒染めの指導に応じて通学していたけれど、色が戻る(髪が生え伸びる)たびに染め直しを強要され、修学旅行への参加も認められなかった。
結果、耐えられなくなって「黒染めで頭皮や頭髪に健康被害が生じた。身体的特徴を否定され精神的苦痛も受けた」との内容で損害賠償の訴訟を起こすことになった。
考えること、変えること、選択することは、しなかったのか、できなかったのか。
近ごろは、東京都立高校の一部でも「地毛証明書」の提出をさせている学校がある、という件が話題に挙がったりもしている。
訴訟を起こした女子生徒の母親は入学時、「地毛登録制度があるなら申請したい」と訴えたが、その高校は導入していなかった、とのこと。
考えたらどうだったのか。
どうしたら、生徒と学校がバランス良くやっていけるのかを。
なぜ、当学校では脱色や染髪を禁止しているのかを。
変えられないようなことだったのか。
脱色、染色していない地毛なのだから、問題ないだろう、と。
これを機に、地毛登録制度を導入しよう、とか。
もしくは、パーマ、染髪、脱色を...ではなく"黒髪ストレート以外を認めず"と、文言の方の正確性を上げてはどうなのか(もっと人権的にヤバいだろうけど)。
そして、なぜ選択をしたのか、しなかったのか。
その学校に、そうまでして(黒染め強要に応じて)入るしかなかったのか。
他の学校へ行くという選択ができない街、なのだとしたら、その街(行政)に大いに改善点があるのかな。
(途中略)なぜ染髪、脱色を禁止しているのかについて、学校側が掲げる大義のほとんどは、
●将来(進学・就職など)社会で評価される際にも髪の色が重要視されるのだから
●(黒くない髪色の生徒が多いと)風紀が乱れているように見られ(自校の)印象が悪い
...と。
つまりは「世の中がそうだから」みたいな「見られ方」を気にしている。
社会が望む「ちゃんとした学校」が、こうなのだと思い込んで揺るがない。
...で、実際にそうなんだろうね。
学校で言えば、地域住民に「この生徒は地毛ですから」と説明して回るわけにはいかない。けれどウルサイ人間が「あの学校の生徒は(髪の色が黒くないから)不良だ」とか言い出して、学校の評価が下がってしまっては困る。
会社で言えば、取引先に「この社員は地毛なので」と、いちいち説明するわけにもいかない。けれどウルサイ人間が「あの会社の営業は(髪の色が黒くないから)駄目だ」とか言い出して、会社の評価が下がってしまっては困る。
紐解いていけば、ほとんどの人が、組織が、ひとからの見られ方に、縛られ振り回されているんじゃないの。
だ~れも、自分らしい信念なんか無くて、自分らしい生き方なんてわかってなくて。
「自分は気にしないけどね、みんながそう言うからさ...」
そんなあやふやな根拠で、こじれた社会で、生きているんじゃないの。
だから今回、その高校(と大阪府)が「何をしでかしたか」「誰が悪者か」というような考え方に違和感アリアリで。
「粕谷さん、どう思いますか?」「許せませんよね?怒ってますよね?」みたいな聞かれ方が、釈然としなかった。
なぜ、こうなったのか?
社会を形作るすべての個人が、人をどう見ているのか、どこで評価しているのか。
その結果が、どう見られているのか、評価されているのかなんだと気付いてさ。
棚上げしないで、自分自身と向き合ってみないと、こんな社会を変えていけないと思うんだよねえ。
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このニュース、ここのところ
新聞サイトで何度か取り上げられていましたね。
⬆️はハフポストからの引用。
粕谷幸司さんという方の意見の抜粋です。
私も同意するのは、
なぜこの高校生(とその親)が
ここまでになるまでに
何か行動を起こさなかったのか、
ということです。
いじめの場合でもそうですが、
なぜさっさとその学校をやめないのか。
あるいは抗議して、
異議を申し立てないのか。
それには勇気が要ったでしょう。
でも今のような時代です。
それこそマスコミを味方につけることだって
できたかも知れません。
次に粕谷さんの言う、
いわゆる世間体を気にする体質。
私はかつて日本の学校で講師をして
いたことがありますが、
ある時赴任した高級住宅街にあった中学校では、
多々あった校内の問題をひたすら外部に
(生徒の親と地域住民に)もらさないように、
教員は必死でした。
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世間体(を気にする)。
日本において私が一番嫌いなこと。
かつて日本で私は、
世間体を気にする親きょうだいや
ご近所さんと闘いました(笑)。
人生も学校も会社も
「カラフル」な方が楽しいよ!
一度作ってみたらどうでしょう。
髪の色、お化粧、服装、
ぜ〜んぶ自由。
そんな高校。
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