これはまた、何というストーリー。
上手いなあ、ポール・オースター。
訳は柴田元幸さん。
この部分の原文の英語っていったい
どんな文なのかしら?
と思わせる上手な訳がそこここに。
これは短いので、
古本のペーパーバックを探して
読み比べたいです。
本を読み終えて、最後の
<あとがき>を読むのも好きですが、
この本の場合はまず、
「訳者あとがき」として柴田さんの
文章がつづらていますが、
上手なあとがきを読むのも、
その本の魅力の一部ですよね。
ポール・オースターはおそらくアメリカで
はじめて「エレガントな前衛」
という形容詞を冠しうる作家である。
自己と他者、現実と虚構、
必然と偶然、言葉と物、といった
いわゆるポストモダニズムの文学が
好んで扱う問題をさまざまなかたちで問い
つづけながら、その文章はあくまで
簡潔で透明感にみち、
かちっとしたデジタル的ともいうべき
優雅さをたたえている。
随所に挿入されたさまざまなエピソード。
それがまたストーリーとは関係ないのに、
それだけでも1つの小さな世界を
読者に与えてくれるのです。
こういうのを書かせたら、
天下一品ですね。
あと何冊か、さて次は何をオーダー
しようかな。
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