写真は<バンコクポスト>誌から。
今日のCNNでも取り上げていた、 このタイの化粧品会社の広告。
Just being white, you will win
直訳すれば
「白くいるだけで勝つ」
まあよくぞこれほど直球、
別の言い方をすればあからさま
な宣伝広告が作れたものだなあ
とある意味感心すらしてしまいます。
以前にもこのブログで書いたかも知れませんが、
アメリカでは肌の色の薄さや白さを
<ホワイト>とは表現しないのですよね。
フェア(fair)、もしくはライト(light)。
それと同時に肌の色の黒いことは
<ブラック>ではなくダーク(dark)。
ただ一般的に白人(white people, whites)
黒人(black people, blacks)という言葉は
使われています。
私もアメリカに来てまだ間もない頃、
白人の女性にあなたの顔(の肌)
はすごく白いからと言うつもりで
単純に「white」を使ったら、
あ、「fairね」と言い直された経験があります。
アメリカでは
<ホワイト>と口にする時、
それはあくまでも白人を意味し、
<ブラック>と言ったら
黒人のことを指すのです。
さてこのバンコクの化粧品会社ですが、
社名はソウルシークレット。
会社は<バンコク・ソウル>とあり、
韓国とタイベースの化粧品会社のようです。
社名に<ソウル>と冠せられているように、
韓国はアジアでの美容とホワイトニングのメッカ。
この会社の概要はわかりませんが、
韓国の会社が開発したか、
韓国の技術が大いに活用された化粧品で
あることには間違いないかと思われます。
日本にも昔から
「色の白いは七難かくす」
という言葉があります。
<七難>というのは仏教用語で7種類の災難。
それが転じて色々な難点や欠点という
意味になり、
色が白いことはまあ平たく言えば
その向こうに何が隠されていても
<見栄えがいい>から、
色が黒いよりは得だということでしょう。
で、今ふと思い起こせば
日本にも昔「白子」さんと「黒子」さんが
出て来る化粧品の漫画広告があったことを
「はいほ〜」の中で
村上春樹が書いています。
あれは漫画だったのか、私も子供の頃、
新聞で見たような記憶があります。
「はいほ〜」が出版されたのは1989年で
エッセイは1983年から5年間にわたって
書かれたものだとあとがきにあります。
この章が何年に書かれたものなのかは
わかりませんが、その中で
彼は「あの広告はいったいいつごろまで
存続していたのだろう?」と書いています。
それはまさに⚪️⚪️のクリームを使うと
色が白くなるという広告です。
昨今は色白美人というのはあまり
もてはやされないから、
きっと広告の方もやりにくく
なったんだろうと思う。
と春樹さんは書くのですが、
う〜ん、1980年代半ばには夏はこんがり
日焼けした健康美とかが
化粧品会社の<売り>だったのかしら。
調べてみたらカネボウのCM
夏目雅子の「クッキーフェイス」は
昭和52年、1982年でした。
いずれにしろ、日本にも昭和の時代から
<色白がいい>という価値観で化粧品会社
は顔の肌の色を白くするクリームを
作って売っていたわけです。
CNNのインタヴューでタイ、タマサット大学
の教授はこう話します。
「(白い肌がいいという)これも西洋の価値観
から来ているのです。
白い肌、西洋人的体系、そういったものが
望ましいとされるのは
そういったものを手に入れることによって
西洋の仲間入りをすることが出来る
というタイ人の植民地的思考を
主観化してしまった結果でしょう」
私は思うのですが、
白人の顔の肌の色の<白さ>
と、日本人も含めてアジアの女性が目指す
<色白>には遠い隔たりがあると。
彼らの顔の色は単に色素が少ないだけで、
紅潮すればそれはまさに、
ピンク色の塊でしかないですよ(笑)。
ディオールだって、ディオール<スノー>
は最初はアメリカではこういう名称では
売り出さ(せ)なかったと思います。
白雪姫は雪のように白い肌をもって
生まれた、というところから名付けられた
のでしょうが、
これって差別意識丸出しではないですか。
あ〜、ごめんなさい。
話があちゃこちゃに(笑)飛びました。
でもね、思いませんか。
自然が一番。
「黄色人種」と言われても
私たち<黄色>じゃないです。
インディアンが<茶色>じゃないように。
それは今もって世界を牛耳る
<白人さん>の価値基準なんです。
そういう観点から世界を見てみるのも
一考かも知れません。
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