2017年2月6日月曜日

素晴らしかった!レイディガガ。God Bless America と This Land Is Your Land とウディ・ガスリー







昨夜のスーパーボウルのハーフタイム
ショウはレイディガガでした。


大物は出なかった、
などと書いていた日本の新聞もありましたが、
「大物」好みの日本人のメンタリティ。

レイディガガに失礼です。

十分パワフルで見ごたえのある
パフォーマンスでした。


数年前のマドンナのパフォーマンス、
スケールは大きかったけれど、
私は全くいいとは思わなかった。

たいして踊りもせず、
失礼ですが年齢を感じざるを
得なかった。

いえ、年齢が悪いのではなく、
それを感じさせないパフォーマンスなら
全然問題ありませんが、
マドンナの場合はそうではなかった。


今回のレイディガガは、
オープニングに、
God Bless America

と、その後ウッディ・ガスリー作詞の
This Land Is Your Land

をワンフレーズだけ歌いました。


God Bless America
はアメリカの第2の国家などと呼ばれて
いますが、
ウッディ・ガスリーは
1930年代(特に第2次世界大戦前)
にケイト・スミスによって
歌われたラジオから流れる
God Bless America
に聴き飽きて、
元々あった曲に、詩をつけて、
最初は皮肉をこめて

God Blessed America for Me

(自分のためだけに神はアメリカ
を祝福してくれた)
とタイトルをつけたのですが、
あとで、

This Land Is Your Land

と変えたそうです。




Was a high wall there that tried to stop me
A sign was painted said: Private Property,
But on the back side it didn't say nothing —
God blessed America for me.
[This land was made for you and me.]


この歌は歌詞が何度か書き変えられて
いるのですが、皮肉にもと言いますか、
タイムリーなことに、
1940年、一番最初に作られた歌詞にある
⬆️のヴァージョン。


高い壁に行く手を阻まれたんだ

標識には<私有地>って描かれてる

でも裏側には

何も描いてやしない

この土地はあなたと私のために

つくられたんだ


ウディ・ガスリーはこの当時
すでにおそらく無意識に
「壁」という言葉を使っていました。

トランプの言う、
メキシコ国境との壁をイメージしていた
わけではなかったでしょう。

でも皮肉なことに、
今、アメリカでフィジカルな<壁>
とはメキシコとの国境に
トランプが作ろうとしている壁のこと。


毎日新聞の記事で読んだ、
テキサス州エルパソとの国境をはさんだ町の
通称<コヨーテ>と呼ばれる
メキシコ人を違法にアメリカに運ぶ男性は
記者に自分が掘った穴を見せていました。


どんな壁や鉄の柵が出来ても、
不法移民は減らないよ、
という彼。


たった1本の線の向こうには
「豊かな土地」
が広がっていて、
働きさえすれば、メキシコでもらうより
何十倍もの賃金が稼げる場所
があるのがわかっている。

どんな危険をおかしたとしても、
入ってしまえばこっちのもの。

コヨーテに払ったお金くらいすぐに
稼げるさ。

メキシコ人はそう思っているはずです。


もちろん命を落としたり、
コヨーテに騙されたりする人たちも
いっぱいいるのですが。


アメリカにはおそらく、
親戚、元のご近所さん、
友人、のそのまた友だちと、
彼らはどこかに何かのつてがあるでしょう。

リーガル、イリーガルを含めて、
この国にはこれだけメキシコ人が
住んでいるのですから。


いったんどこかに定住して
仕事を見つけて働きだせば、
(羨ましいことに<苦笑>)、
彼らは言葉に困らないのです。

英語が全く話せなくても、
スペイン語で事足りるのですから。


昨日のスーパーボウルだって
ちゃんとスペイン語でも放送されています。



✨ ✨ ✨ ✨ ✨


経済格差がある限り、
メキシコ人はアメリカをめざすでしょう。

どんなに強硬な壁を作っても、
(比喩的な意味合いで)壁は
すり抜けられるものなのです。


それはフィジカルな壁でも
パスポートの国籍で作った壁でも。

















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