アンチエイジング大嫌い! 小泉今日子さんらに共感の輪
「美魔女」現象に反旗 若さより「年相応の美」 シワも「大切な自分自身」
「アンチエイジングって言葉が、大嫌い」。女性誌の対談で、こうハッキリと時流に反旗を翻した人気女優の小泉今日子さん(50)と社会学者の上野千鶴子さん(68)の発言に、女性の共感が広がっている。テレビでは若づくりの「美魔女」がもてはやされてきたが、これに徹底抗戦する構えだ。一体何が起きているのか−−。【横田愛】
小泉さんと言えば、アイドル時代の輝きが加齢とともに増すイメージで、2000年の化粧品コマーシャルのキャッチコピーは「さびない、ひと。」。アンチエイジングの女神にもなれそうな立場だが、表面的な「若さ信仰」にモノ申したのだ。
「アンチエイジングって言葉が、大嫌い」。女性誌の対談で、こうハッキリと時流に反旗を翻した人気女優の小泉今日子さん(50)と社会学者の上野千鶴子さん(68)の発言に、女性の共感が広がっている。テレビでは若づくりの「美魔女」がもてはやされてきたが、これに徹底抗戦する構えだ。一体何が起きているのか−−。【横田愛】
小泉さんと言えば、アイドル時代の輝きが加齢とともに増すイメージで、2000年の化粧品コマーシャルのキャッチコピーは「さびない、ひと。」。アンチエイジングの女神にもなれそうな立場だが、表面的な「若さ信仰」にモノ申したのだ。
注目の対談は、40代向け女性誌「GLOW」(宝島社)9月号に掲載された。「アンチエイジングって言葉が、大嫌いなんです」と切り出した上野さんに、小泉さんは日ごろの思いを爆発させるかのように、次のように語った。
「私もです。ずっとアイドルの仕事をしてきて、30代の半ばくらいから『かわいい』って言われる中に、『若い!』という声が入ってくるようになって。これ違くない? 喜んじゃいけないんじゃない? って」
実年齢より若く見えることを尊ぶ「美魔女」現象への批判にも小泉さんは同調し「これは抵抗しなきゃと。私は『中年の星』でいいんじゃないかと思ってます」と言い切った。
「私もです。ずっとアイドルの仕事をしてきて、30代の半ばくらいから『かわいい』って言われる中に、『若い!』という声が入ってくるようになって。これ違くない? 喜んじゃいけないんじゃない? って」
実年齢より若く見えることを尊ぶ「美魔女」現象への批判にも小泉さんは同調し「これは抵抗しなきゃと。私は『中年の星』でいいんじゃないかと思ってます」と言い切った。
GLOW9月号は22万部を完売。反アンチエイジング宣言は「女性セブン」などの女性誌やネットメディアにも転載された。女性の年の重ね方に「一石を投じた」と好意的な反応が多く「かっこいい! そもそも劣化や賞味期限なんていう言葉を使うこと自体がバカげてる」「年相応が理想」などの書き込みもあった。GLOW編集長の大平洋子さんは「おそらく皆さんどこか根底で思っていたことが、お二人の発言によって市民権を得られた気持ちになったのではないでしょうか」と語る。
「こんなことが事件になるとは想定外。びっくりだわ」。発言を引き出した上野さんを訪ねると、開口一番、当たり前のことを言っただけなのに、という表情を見せた。
上野さんは、反響の大きさは、アンチエイジングを強いる社会的な空気の裏返しだと分析する。「女性の価値は賞味期限付き。若さがなくなると女の値打ちが減るとみんな思い込んでいたからじゃないですか。日本の男が女にそう思わせてきたのだけど」
「こんなことが事件になるとは想定外。びっくりだわ」。発言を引き出した上野さんを訪ねると、開口一番、当たり前のことを言っただけなのに、という表情を見せた。
上野さんは、反響の大きさは、アンチエイジングを強いる社会的な空気の裏返しだと分析する。「女性の価値は賞味期限付き。若さがなくなると女の値打ちが減るとみんな思い込んでいたからじゃないですか。日本の男が女にそう思わせてきたのだけど」
GLOW9月号は22万部を完売。反アンチエイジング宣言は「女性セブン」などの女性誌やネットメディアにも転載された。女性の年の重ね方に「一石を投じた」と好意的な反応が多く「かっこいい! そもそも劣化や賞味期限なんていう言葉を使うこと自体がバカげてる」「年相応が理想」などの書き込みもあった。GLOW編集長の大平洋子さんは「おそらく皆さんどこか根底で思っていたことが、お二人の発言によって市民権を得られた気持ちになったのではないでしょうか」と語る。
「こんなことが事件になるとは想定外。びっくりだわ」。発言を引き出した上野さんを訪ねると、開口一番、当たり前のことを言っただけなのに、という表情を見せた。
上野さんは、反響の大きさは、アンチエイジングを強いる社会的な空気の裏返しだと分析する。「女性の価値は賞味期限付き。若さがなくなると女の値打ちが減るとみんな思い込んでいたからじゃないですか。日本の男が女にそう思わせてきたのだけど」
「こんなことが事件になるとは想定外。びっくりだわ」。発言を引き出した上野さんを訪ねると、開口一番、当たり前のことを言っただけなのに、という表情を見せた。
上野さんは、反響の大きさは、アンチエイジングを強いる社会的な空気の裏返しだと分析する。「女性の価値は賞味期限付き。若さがなくなると女の値打ちが減るとみんな思い込んでいたからじゃないですか。日本の男が女にそう思わせてきたのだけど」
資生堂が昨年から50代以上向けに発売した総合ブランド「プリオール」もその一つ。新設に先立って同社が55〜79歳の女性を対象に行った調査(複数回答)では、「実際の年齢よりも若く見られたい(23%)」「若さを取り戻したい(23%)」という若さへのこだわりに比べ、「いつまでも輝いていたい(53%)」「年をとっても新しいことにチャレンジしたい(47%)」と、年を重ねた今を充実させることに意識が向いていることが分かった。ブランドマネジャーの橘鷹(きったか)恵子さんは「『若くなりましょう』ではなく、等身大の美しさを出すことに重きを置いた」と話す。
88歳現役モデル「ありのまま」
「年相応」に価値を見いだす動きは、海外のモデルや女優の間でもジワリと広がりつつある。昨年10月には、映画「タイタニック」(1997年)に主演したハリウッド女優ケイト・ウィンスレットさん(40)が、化粧品の広告写真でシワの修正を拒否したと明らかにし、話題になった。
そして今、日本で注目されているのは、世界最高齢の現役ファッションモデルとしてギネス世界記録に認定されている英国人のダフネ・セルフさん(88)。著書「人はいくつになっても、美しい」(幻冬舎)が翻訳出版され、今月2日に開かれた出版記念イベントは立ち見が出るほど盛況だった。
88歳現役モデル「ありのまま」
「年相応」に価値を見いだす動きは、海外のモデルや女優の間でもジワリと広がりつつある。昨年10月には、映画「タイタニック」(1997年)に主演したハリウッド女優ケイト・ウィンスレットさん(40)が、化粧品の広告写真でシワの修正を拒否したと明らかにし、話題になった。
そして今、日本で注目されているのは、世界最高齢の現役ファッションモデルとしてギネス世界記録に認定されている英国人のダフネ・セルフさん(88)。著書「人はいくつになっても、美しい」(幻冬舎)が翻訳出版され、今月2日に開かれた出版記念イベントは立ち見が出るほど盛況だった。
セルフさんは著書で、整形手術を受けたことはないと明言。自身の写真も修正しないようお願いしていると明かし、その理由をこう記した。<私の写真は当然完璧ではありません。それでもそうしているのは、若いと思われたり、きれいに見られたりするより、私が自分自身であることを大切にしているからです>
著書は8月末の発売から1カ月足らずで3万3000部を突破。読者からは「年を取るのが楽しみになった」「元気の種を頂いた」との感想が届いた。幻冬舎編集第1部長の君和田麻子さんは「年を重ねることは楽しいしどんどん自由になること。88歳の現役モデルの言葉だからこそ説得力があります」と解説する。
女優やモデルでなくても、等身大で楽しく美しく年を重ねる方法はあるのだろうか。
「女の賞味期限」を題材とした小説「エストロゲン」(小学館文庫)などの著書がある作家の甘糟りり子さん(52)は、自分より10歳以上年上で「カッコイイ」と思う人をまず見つけることを勧める。
「エストロゲン」では、いずれも47歳でバツイチの子持ち、専業主婦、不妊治療をあきらめた女性の3人が主人公。執筆当時の甘糟さんも40代後半だった。「年を取るスピードは人それぞれで、同い年の人と自分が同じ心境や状態である必要はない」として、同世代と比べることはしないほうがいいと言う。
甘糟さんが心に留める年上女性の一人は、70年代にブランド「BIGI」を設立したファッションデザイナーの稲葉賀恵(よしえ)さん(76)。「この前、あるパーティーでお会いしたのですが、白のチャイナドレス姿がすごく格好良かった」。同時に、年下の友達を持つことも効果的と言う。「40代の友達に『甘糟さんを見ていると50代になっても楽しんでいていいんだ、って安心する』と言われてうれしくて」
記者もアラフォー。美魔女現象には違和感を覚えながら過ごしてきた。小泉さんやセルフさんの生き方が世のスタンダードになったら、生きやすくなるな、と心が弾んだ。
著書は8月末の発売から1カ月足らずで3万3000部を突破。読者からは「年を取るのが楽しみになった」「元気の種を頂いた」との感想が届いた。幻冬舎編集第1部長の君和田麻子さんは「年を重ねることは楽しいしどんどん自由になること。88歳の現役モデルの言葉だからこそ説得力があります」と解説する。
女優やモデルでなくても、等身大で楽しく美しく年を重ねる方法はあるのだろうか。
「女の賞味期限」を題材とした小説「エストロゲン」(小学館文庫)などの著書がある作家の甘糟りり子さん(52)は、自分より10歳以上年上で「カッコイイ」と思う人をまず見つけることを勧める。
「エストロゲン」では、いずれも47歳でバツイチの子持ち、専業主婦、不妊治療をあきらめた女性の3人が主人公。執筆当時の甘糟さんも40代後半だった。「年を取るスピードは人それぞれで、同い年の人と自分が同じ心境や状態である必要はない」として、同世代と比べることはしないほうがいいと言う。
甘糟さんが心に留める年上女性の一人は、70年代にブランド「BIGI」を設立したファッションデザイナーの稲葉賀恵(よしえ)さん(76)。「この前、あるパーティーでお会いしたのですが、白のチャイナドレス姿がすごく格好良かった」。同時に、年下の友達を持つことも効果的と言う。「40代の友達に『甘糟さんを見ていると50代になっても楽しんでいていいんだ、って安心する』と言われてうれしくて」
記者もアラフォー。美魔女現象には違和感を覚えながら過ごしてきた。小泉さんやセルフさんの生き方が世のスタンダードになったら、生きやすくなるな、と心が弾んだ。
⬆️は今日の毎日新聞の記事からです。
だいたい<アンチエイジング>って
アメリカ人の発想ではないでしょうか。
「老いる」こと、「老いて醜くなる」
ことを嫌悪し、恐怖に感じる
(と私には見えます)アメリカ人は、
何としても「若く」見えたいという一心で
ありとあらゆる<アンチエイジング>の
方法を考え出しました。
美容整形はもちろん、
ボトックスだの、
何だのかんだの。
そんな人工的な上っ面だけの処置や処理をしても
「不自然」な顔や姿になって行く
のがおちなのは、
ハリウッド女優を見たら
よくわかることです。
「老いる」ことは自然なこと。
それを受け入れられないという心理状態
ってある意味、「幼稚」なのだと
私は思います。
成熟した社会では人はその年齢に
ふさわしい容姿を受け入れ、
社会もそれを認めるのではないかと。
特に日本の場合、
男性がそれを受け入れないので、
ある年齢を過ぎたら「賞味期限」
などと失礼な表現をするのではないでしょうか。
人は老いて行くものだし、
顔にしわやしみがあっても、
老いを感じさせない雰囲気を持つ人
がカッコいいと私は思います。
それは女性も男性も、
若い時からの生き方でしょう。
50歳になってあわてて始めるよりは
若い時から、
あるいはせめて、年齢を感じ始めた
時からの本人の意識の持ち方、
そして生き方が、
老いて行く自分を魅力的にするのではないか。
体を動かす、エクササイズをすることは
言うなれば大切な1つの
<アンチエイジング>でしょう。
もちろん私も<アンチエイジング>なんて
言葉は大嫌いです。
小泉今日子はきれいだから
そんなことが言えるのよ、
そんなことを言ってるうちはだめです(笑)。