「ガープの世界」と「サイダーハウスルール」 は映画を見ましたが、どちらも 原作は読んでいません。
「サイダーハウスルール」は2度読みかけて 挫折しています。
手持ちのポール・オースターも読み終えて、 もう読む本はこれしかないと いうので読み始めた ジョン・アーヴィング「第四の手」。
いつ買ったかも覚えていませんが、 おそらく数年前に、ロサンジェルスに行った時、 ブックオフで買ったものです。
ジョン・アーヴィングだし、たった1ドルだし、 という理由で。
最初の部分では何度か大笑いする箇所。
何しろ女好きのプレイボーイが主人公で ベッドシーンもいっぱい出て来るのですが、 何だかコミカルに描かれていて、 さらっと読み流すことが出来ます。
訳者の小川高義さんもアーヴィングのことを <災害小説家>と呼んでいらっしゃいますが、 「第四の手」では取材中の事故で 左手を失くしたテレビ局のアンカー である主人公が、移植により新しい手を得て、 それをまた失くすという<災害>を軸に 医者、テレビ局の同僚など、 主人公を取り巻く様々な人々とのからみで 物語は進みます。
<訳者あとがき>によると、 「ガープの世界」の最後は「ガープの世界観」 によれば、 「すべてこの世の人間は末期症状 の患者(terminal cases)である」と 結ばれているそうです。
なるほど。
五木寛之も何かのエッセイで 「この世を地獄だと思っていれば、たまに いいことがあれば、 それをすごく有り難く思える」みたいな ことを書いていたように記憶しています。
ほとんどの人間にとって人生は平坦ではなく、 大なり小なりの<災難>続きかも知れませんが、 そこへ多少の<救い>を経験した時の 有り難さ、うれしさ。
✨ ✨ ✨
さて片手を失くして、新しい手を得た 主人公が再びその新しい手も失くす。
なのにどうして「第四の手」なのか、
チャンスがあったら読んでみてください。
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